「災害看護でまちづくり ~ 西日本豪雨の被災地・真備 ある訪問看護師の巻き込み型復興」(尾野寛明・片岡奈津子)
平成30年、西日本豪雨災害より3年がすぎました。災害を通じ、そーるで人々が繋がりあい様々な活動を記録にしました。
2018年7月6日、真備はあの日を忘れない。
他の災害に比べ、極端に記録が少ない水害。
西日本豪雨の被災地、岡山県倉敷市真備町は災害発生からどのような道を歩んだのか。
自らも被災しながら住民の健康を守り、励まし、防災意識を浸透させていった地域の訪問看護ステーションが、コミュニティ再生に果たした役割を記す1冊。
尾野寛明氏のFacebookより
舞台は岡山県倉敷市真備町の「そーる訪問看護ステーション」。
2018年7月の豪雨災害で事業所も代表片岡さんの自宅も被災してしまいました。そんな中で自分のことを放ったらかしにして周囲の物資配布や健康づくりや居場所づくり、防災活動に奔走している。
これは記録として残さねばならないと定期的に通うことを決めたのでした。
ドタバタで行き当たりばったりで不条理なことに場をわきまえず怒り散らす片岡さんなんですが、気づくと色々な人が巻き込まれていて楽しい場が作られている。
混乱する復興現場の出来事を時系列に整理し、その顛末を30人以上のインタビューを通して描き出しました。
そこで見えてきたのが、災害看護という分野のイメージが、阪神大震災以降、一部分が切り取られて人々に植え付けられてしまっていることの弊害でした。
災害が発生したらいち早く現場に駆けつけて負傷者の救護をして、トリアージして・・それも間違ってはいないんですが、それってごく一部分でしかないんですよね。多くの人がなくなりましたが、負傷者というとそこまで多くはない。
それよりも、過酷な避難所生活、炎天下の屋外作業、そういった中でどうやって健康被害を防ぐか。それを何年も支えていくのが災害看護の本質ということに気付かされます。これは若い学生に特に伝えていく必要があるねと。それでおのさん、そのためのテキストをいち早くまとめてと頼まれたのが今回の経緯です。
方や、河川を管理する国交省も、堤防一辺倒というわけでもない。防災活動にかなりの力を入れているのが今の流れというのも知ってもらえると思います。防災っていうと面倒だけれど、楽しくやっているとそれが人々を寄せ付ける魅力あるまちづくりにもつながる。
で、何故かそれを広めているのが片岡という肩書も何もない看護師。
たった一人の現場の専門職が国と政策まで作ってしまえる時代になっている。そんなことをストーリーとして読み取ってもらえたらと思って書きました。
ヒーヒー言いながら先週原稿が手を離れまして、今月発行予定です。
今月24日に総社市のFLCBというところで出版記念フォーラムを開催します。
出版記念フォーラムでの様子