「自分らしく生ききる」ことを、あらためて考える時間となりました。
先日、全国ホームホスピス協会 副理事長 松本京子さんを講師にお迎えし、「ホームホスピス」をテーマとした講演会を開催しました。

講演会のオープニングでは、竹風会の皆さんによる 「大江戸玉すだれ」が披露されました。
息の合った動きと軽やかな掛け声に、会場は一気に和やかな空気に包まれ、自然と笑顔が広がるひとときとなりました。

全国各地でホームホスピスの実践に携わってこられた松本さんからは、老いや病と共に生きること、そして「ホスピスとは何か」について、深く、あたたかいお話を伺うことができました。
特に印象に残ったのは、「ホスピスとは、最期まで“生きる”場所である」という言葉です。
医療機関の中にあるホスピスとは異なり、ホームホスピスは、住み慣れた地域の中で、その人らしい時間を大切にしながら生ききるための場所であること。
人生の主人公として迎える“最終回”は、その人が人生の中で積み重ねてきた「自分らしさ」が、残された人の記憶の中に残っていくのだと、あらためて考えさせられました。

また、災害が発生したときに起こる
・住み慣れた町が壊れること
・大切な人、友人、知人との別れ
・家族と共に築いてきた家を失うこと
そうした喪失の積み重ねが、人から「もう一度立ち上がる気力」を奪ってしまう現実についても語られ、地域の中に居場所があること、人と人とのつながりがあることの大切さを、深く実感する時間となりました。
そして、こうした考え方の背景には、阪神・淡路大震災の経験があります。
大きな災害を経て、「住まい」だけでなく「人とのつながり」や「安心して生きられる居場所」が、どれほど人の支えになるのかを痛感した神戸では、全国でも特に多くのホームホスピスが生まれてきました。
ホームホスピスは、災害の記憶と共に育まれてきた、“地域で生きる”ための大切な選択肢でもあるのです。
参加された方からは、『誰もが老いと向き合う中で、今を自分らしく生きることの意味、そして最期のときに何を残せるのかを考えるきっかけになった』という声も寄せられています。

岡山県で初めてとなるホームホスピス「ホームホスピス こいろ」が、今年5月、倉敷市真備町に開設されます。
この地域で、人生の大切な1ページに寄り添い、「自分らしく生ききる」ことを支える居場所であるために。
今回の講演を通して、私たち自身もその使命と向き合い、学び続けていく必要性をあらためて感じました。
今後も、研修や学びの場を大切にしながら、 地域の皆さまと共に歩んでまいります。


